2003年度
RC単柱の静的載荷実験
−1999,2000年度−
武蔵工業大学修士2年 白子将則
はじめに
1999,2000年度に本学で行った鉄筋コンクリート(以下RC)単柱の耐震実験についてまとめた.
97,98年度における繰返し載荷履歴では,主要動継続時間の短い直下型地震では3回繰返し載荷履歴,主要動継続時間の長い海洋プレート型地震は10回繰返し載荷履歴のように実地震動における主要動継続時間と静的載荷実験における載荷履歴の同変位における繰返し回数のみにしか着目されておらず,実地震波のようなランダムな載荷重履歴は表現されていない.
そこで,1999年度では,事前に動的応答解析を行い,得られた応答変位を載荷履歴として静的載荷を行った静的ランダム繰返し載荷実験を行い,静的載荷と静的ランダム繰返し載荷実験の劣化損傷過程の比較を行った.
2000年度においては,RC単柱に鉄筋コンクリート製のプレキャスト補強部材(PRC部材)を製作し,復旧補強性能について評価した.
実験概要
以下に示すようにラーメン高架橋の柱部材に地震力が作用すると曲げモーメント分布は逆対象となり,せん断力図は一定である.また,一般に高架橋の橋はせん断スパン比が大きく,柱中間部には地震による損傷が生じにくい.そこで,柱高さの半分を片持ち梁形式として実験を行った.また,試験体の大きさは実物の40%とした.
実物 | ||
実験 | ||
曲げモーメント図 | せん断力図 |
年度 | 試験体 | 曲げせん断耐力比 | 破壊形式 | 軸力比 | 載荷方法 | |
入力地震波 | 事前実験結果との一致点 | |||||
1999年度 | S12-0-RSD | 1.2 | 曲げ降伏後 せん断破壊 |
0 | 神戸海洋気象台NS成分 | 終局変位=最大応答変位 |
S12-0-RSE | 累積エネルギー吸収量 | |||||
S15-0-RSD | 1.5 | 開北橋記録地震波 | 終局変位=最大応答変位 | |||
S15-0-RSE | 累積エネルギー吸収量 | |||||
2000年度 | S12-3-3 | 1.2 | 曲げ降伏後 せん断破壊 |
3 | 正負交番3回繰返し | |
S15-3-3 | 1.5 | |||||
Srb15-3-3 | 曲げ破壊 | |||||
Sra15-3-3 |