トップページへ戻る 電子サイバー講座 質問掲示板 だれでも質問コーナー
質問掲示板 だれでも質問コーナー
質問箱 だれでも質問コーナー  

だれでも質問コーナー 質問掲示板
 『だれでも質問コーナー 質問箱』によせられた質問に、ズバリお答えします。

 *質問のある方は、『質問箱』から、質問できます。手順・フォームは、こちら >>

35

質問者 ディエゴ
質問箇所 紅白の教科書:「第11章:耐震設計」 応答塑性率
質問内容 応答塑性率が、あまりよくわかりません。詳しく教えてください。

回答:

1.地震時の応答変位(この場合、ある地震の時刻歴応答中での最大値)を正規化(無次元化)したもの。 通例大地震を考えるので、初期降伏を超えた塑性域での変位が問題となるので、応答塑性率と呼ぶ。 厳密に定義すると、「塑性変形に関する応答時の最大値」を「部材降伏時の変位」で除したものとなる。 式で表せば、μ=δ/δy となる。(従って、応答塑性率μは、1を超える無次元量となる)

2.応答塑性率は、耐震設計に際して、部材靭性率と比較されるので、それぞれの定義を確認する必要がある

・塑性率,応答塑性率:ある地震荷重による応答変位.通例,最大変位を考える. ⇒ 部材がどれだけ、揺らされたか。
・靭性率,部材靭性率:その部材が崩壊するときの終局変位.部材の最大変形能力. ⇒ 部材がどれだけ、粘り強いか。

これらは、部材降伏変位にて割り算し、正規化(無次元化)することが多い。
・応答塑性率=応答変位/降伏変位
・部材靭性率=終局変位/降伏変位

3.上記の2つの量は、似ているのでしっかりと理解する必要がある。 耐震性照査では,以下のようにして比較/対比される。
・応答塑性率μrd<部材靭性率μd:安全,崩壊しない.
・応答塑性率μrd>部材靭性率μd:危険,崩壊する.
これは、鉄筋コンクリート構造物のに関する耐震設計のにおける基本基本事項で、 靭性設計と呼ばれる.

追伸: 授業大質問コーナー(2002年前期)に同様の質問があり、参照されたい。

2004年7月31日猛暑               


34

質問者 やま
質問箇所 道路橋示方書 : 鉄筋の最小かぶり
質問内容 大気中の場合、水セメント比・中性化速度・耐用年数等より3cmとしているのは理解できるのですが、水中および土中の場合の7cmとしている根拠・理論がわかりません。

回答:

いただいた質問は、本コーナーの対象範囲を超えますが、本研究室栗原先生の協力を得て、回答します、ここでは、数値的なことは言及できませんが、おそらく大気中と水中・地中における劣化メカニズムが決定的に異なることから、かぶりの設定が異なっているものと考えます。

1.大気中に関して。大気中(都市内部;塩分飛来がない場所)における耐久性を議論する場合、最も大きな劣化原因は中性化と考えられます。そのため、中性化速度がかぶりを決定する一要因となり、中性化速度はW/Cに大きく関係し(W/Cが小さいほど中性化速度は小さくなる)、その予測式はW/Cの関数として表現されています。ただし、中性化自体は、コンクリート単体の耐久性を低下させるものではありませんが、アルカリの損失により鉄筋周りの不動態皮膜が破壊され、鉄筋が発錆につながります(pH=11以下)。これにより鉄筋コンクリートとしての性能が低下するということになります。

2.水中に関して大気中に対して、水中での耐久性を考えた場合、最も大きな劣化原因は塩分浸透あるいは硫酸塩による劣化であると考えられます。特に、水が海水であった場合は、その劣化の程度が大きくなります。海水には塩分のほかに硫酸塩を含んでおり、これら相互の要因により、中性化より速い速度で劣化が進行していきます。そのため、大気中より大きなかぶりを確保し、鉄筋の発錆を防ぐ必要があります。

3.地中に関して地中での耐久性を考えた場合、最も大きな劣化原因は、硫酸塩による侵食であると考えられます。硫酸塩を多く含む土壌にコンクリート構造物を構築すると、硫酸塩から生じた硫酸イオンがコンクリート成分と反応し、エトリンガイトと呼ばれる膨張特性を持った物質が生成されます。その後、この物質が膨張することによりコンクリートにひび割れ等の劣化を生じさせることになります。

上記2、3は直接、コンクリート単体の性能を劣化させるいう意味でその進行速度が速く、早期に鉄筋へのダメージが生じる可能性があります。よって、水中・地中における場合は、かぶりを大きめに設定する必要があります。

(2004.7.31)
                       


33

質問者  
質問箇所  
質問内容  

回答:

日頃、本欄への質問投稿/閲覧ありがとうございます。 微力ながら、わかりやすい回答を心がけており、開設以来、32件の回答を数え ることができました。

(回答/掲載していないのは、回答できないか、または本コーナーの趣旨に合致 していなものとご了承ください)
 
さて、『だれでも質問コーナー』は、原則として、教科書(本HPに紹介して いる'使用教科書(いずれも吉川著)')、および、本HPに掲載されているコン テンツを対象にしています。

このため、これ以外の内容(教科書の記述範囲を超えるもの、示方書/ガイドラ インなど)は、原則としてお答えできません。

これまで、対象外の質問をいただいても、回答できるものは、ここに掲載してま すが、示方書や工学的判断を伴うものは、掲載を見送っていました。

ご了承くだ さい。、  回答者&HP開設責任者:吉川弘道

(2004.3.
1)
                       




32

質問者 広島の大学生
質問箇所 土木学会第58回年次学術講演会(H15/9)
論文名『鉄筋コンクリートはりにおける曲げとせん断の相互作用について』の
3.せん断変形・曲げ変形の算出方法について著者:五明賢、吉川弘道
質問内容 こちらの掲示板でこのような質問をするのは間違っていますが、よろしければお答え頂けないでしょうか。
質問箇所のせん断変形・曲げ変形の算出で用いられております、解析範囲の対角線角度Rは初期の角度でそれぞれの荷重での解析に
用いられているのですか?
それとも、それぞれの荷重で対角線角度Rを計算され解析をされておられるのですか?
(私個人の見解では、後者のほうです)
よろしければお答えいただけないでしょうか。
よろしくお願いします。

回答:

対角線角度Rは初期の角度は、初期の状態を使っています。
基本的に、微小変形が適用できるので、このようにしています。
ただし、一例ですが。

それぞれの荷重段階にて、対角線角度Rを更新して、計算しましたが、
初期値にて一定した場合とほぼ同じ(3桁の範囲)でした。
                         (2004.2.2)
                        




31

質問者 ゼネコン
質問箇所
マスコンクリートの管理について
質問内容 今施工している現場で基礎コンクリートで小規模ですがマスコンクリート管理と なります。
(基礎ベース:W2500*D5500、h=4000が2カ所)
マスコンクリートの簡易的(?)な管理方法と養生方法が知りたいです よろしくお願いします 。

回答;

  質問者へ: 本コーナーは、本Webにある教科書、掲載記事、コンテンツを対象にしています ので、今回の投稿内容は、やや対象外ということになります。
それで、一般学生、初学者用として、一般的な事柄をお答えします。

1.マスコンクリートは、マッシブなコンクリート(英語で、Massive Concrete)の略で、体積の大きいコンクリートを意味します。 マスコンクリートは、部材厚が大きいため、コンクリート硬化時の水和熱が内部 にこもり、内部温度が上昇する。
練上がり温度(初期温度)から、10度以上、場合によって、20度以上上昇するこ ともある。
温度上昇そのものは悪影響はなく、養生中の積算温度が上がり、むしろ好影響を あたるかもしれません。

2.ただし、外部(表面)との温度差により、また温度降下時の収縮が、基礎、 既設コンクリートからの拘束により、引張応力を発生することが多い。
前者の場合を内部拘束応力、後者を外部拘束応力、と呼び、いずれかの(または 合算された)応力がコンクリートの張強度を越えると、ひび割れの発生とつながる これがを温度ひび割れ、マスコンのひび割れと呼ばれ、コンクリート構造物建設 時の典型的な(言い換えると、よく見られる)なひび割れです。

3.どれほど、厚いとマスコンとなるかについては、特段定めはなく、建設地 点、使用材料、構造形式、によって異なります。
一般的には、最小寸法が80cm程度を超えると、マスコンとなり、下端拘束を 受ける壁構造物、冨配合の場合などは、50cm程度でも、マスコンとしての検 討(ひび割れ対策)が必要でしょう。
質問にあるコンクリート構造物(基礎スラ ブでしょうか)は、もう'立派なマスコン'でしょう。

4.これを防ぐには、以下のような対処法がある。
・材料/配合上の検討:練りあがり温度を低くすること。
単位セメントの低減。
低熱セメントの採用。
・施工上の検討:打設間隔。打設時期(暑い時期を避ける)。
・クーリング:プレクーリング ⇒ 材料を冷却して、練りあがり温度を 下げる。
        
パイプクーリング  ⇒ 打設後、内部に配置したパイ プ内の送水によって冷却する。
                       (ポストクーリングということになる)
これとは、別にひび割れの発生を前提として、誘発目地の設置などがあり、これ らについては、別途専門書を参照ください。
                                      ( 2004.1.13)
                                                                          




30

質問者 設計(匿名)
質問箇所 教科書 鉄筋コンクリートの設計
P138 7−4 せん断力を受ける部材
質問内容

せん断力の参照として7−4−1では、許容せん断応力度を求めてτalとの差で斜引張が不要・要としていますが、7−4−2では、
付着応力度の検討との隅角部で、曲げの照査により決定した鉄筋配置で付着の照査を行ったとき、これが許容値を超えた場合は、
断面変更ないし鉄筋本数をふやさないといけないのでしょうか?
せん断に対して、部材はコンクリートのみでもつ7−4−1で斜引張鉄筋が不要であればいらないような気もしますが、7−4−2
でのせん断力は鉄筋とコンクリートがずれる・・の表現があるといるようないらないような?
土木の計算例(Ex:道路土工のボックスカルバートの設計では付着の照査はないのですが そのあたりを教えてください。

回答;
整理しますと、「紅白の教科書、第7章:許容応力度設計法」の記述から、
7−4−1:許容せん断力度を求めて、せん断力に対する検討を行う。
**斜めひび割れが発生するか。発生しなければ、コンクリートのみでOK。発生すれば腹鉄筋(スターラップ)にて対処する、ことを意味している。

7−4−2付着応力度の検討:
**これは、水平せん断力に対する検討であり、対象は、’軸方向筋’となります。
これは、せん断が存在する=曲げモーメントが変化している=その変化分だけ、軸方向筋(引張主鉄筋)の引張力に差が生じる、
ということから、軸方向筋の付着を検討することになっている。

従って、梁/柱の一般部(桁高が変化していてもOKです)が、検討対象になります。
このため、質問にあるような隅角部などは、除外されるように思います。
あるいは、必然的に曲げ部(フック)が存在し、付着の検討は問題なしと、いうことかもしれません。
隅角部は、これとは別に、ハンチ筋(ハンチ部)も含めて、構造細目が規定されている(または、慣例的な配筋が決まっている)ように想像します。
(初めて聞くことなので、これ以上はお答えできません)

ボックスカルバートの設計については、示方書を見ないとわかりませんが、同様の扱いと思われます。
                                                                                    ( 2003.12.11)
                                                                            



29
質問者 Mizutani Mamoru
質問箇所
質問内容 一般にもたれ擁壁では天端幅や前法、後法などの決まりに従う形状ならば自重と土圧による滑動、転倒、支持力の3点について検討“OK!”
となれば設計書ができあがり、 壁体自体の耐力について検討しません。それはマスコンクリートで破壊しないものとしているからだと思います。
今、私が直面している問題は、小規模な谷部の盛土で、その押さえとして施工された長さ30m、高さ6mのもたれ擁壁が、下から2mにある
水平打継目から破断し、そこより上位の壁体に亀裂が発生したため、この無筋コンクリートが曲げモーメントやせん断に対してどのくらい持つ
のかどうかを数値的に証明したいのですが計算方法が分からないと言うことです。
モデルとしては長さ20mの両端固定の床盤に100kN/uの等分布荷重が作用している状態です。

回答;
質問内容を整理しますと、(細かいことは省いて)、次の2点のようです。
@無筋コンクリートが曲げモーメントやせん断に対してどのくらい持つかどうか
Aその計算方法

・例えば、曲げ耐力については、弾性解を用い、引張縁応力が引張強度に達した時点を曲げ耐力として算定できます。

早い話が、ひび割れ発生荷重です。
・これは、紅白の教科書で言えば、第8章に記述があり、p.147の式(8.5)がこれに相当します。
・ただし、土木学会コンクリート標準示方書(耐震性能照査編)などでは、原則として、無筋コンクリートに対する曲げ耐力の規定がなく、
上記のように算定し、無筋でも、もつ場合でも、最小限の鉄筋(主鉄筋)を最小鉄筋として、配筋する必要があります。
・従って‘もつこと’は算定・証明できても、構造部材としては最小鉄筋を配筋して、鉄筋コンクリートにする必要があり、
これは、もしもの場合の対処として、工学的にも意味のあることです。
・せん断に対する検討は割愛します。

***「だれでも質問コーナー」に投稿ありがとう。
本コーナーの質問は、教育教材のページにある教科書を対象にしています。
従いまして、今回の質問のような場合、工学的判断を伴い、本コーナーでは扱うことが出来ない場合があり、
上記のような回答になったことをご理解ください。

                                                            ( 2003.10.15)


28
質問者 建築設計(意匠)事務所
質問箇所 グレーの教科書 第9章:面内力をうける部材
9-2面内力に対する耐荷機構について
質問内容

 簡単な質問で申し訳有りませんが、"せん断力"とはどのようなものかよくわかりません。

せん断抵抗とは(純せん断に対する抵抗の場合)、(1)ずれ抵抗であるのか、(2)45度 方向の引張(圧縮)抵抗なのかが疑問です。  

表9-1に示してあるように、純せん断がτで示されていれば、ずれ抵抗であると感 じますが、表9-2の主応力の表示がなされていれば、引張抵抗かとも感じられていま す。 もちろん、両者とも表現の違いだけなのかもしれませんが、ずれ抵抗は何となく物質 がずれ(転置)される破壊で急激な破壊が生じるのに対し、引張抵抗の場合は物質が 離れることによる破壊で比較的安定した破壊であるように感じます。

もし、ずれ破壊と引張による破壊形式が異なったものであるとき、せん断力を、ある場合にはずれ抵抗として扱い、ある場合には45度方向の引張抵抗として扱うことに不 都合はないか御教授頂きたくお願いします。

回答;

建築系(のエンジニア)のかたであると思いますが,質問,ありがとうございます.

せん断に関する疑問は誰もが,抱くものです.真っ当な疑問で,他の閲覧者,学生 の参考になると思います.
かくも,せん断は本当にわかりにくく,教える先生サイド,教わる学生サイド,とも ども,悪戦苦闘しています.


1.この質問は,9章(面内せん断力)に対して,発信されていますが,6章(せん 断力を受ける部材)にも共通し,さらには,7章(ねじりモーメント)にも同じこと が言えます.


2.さて,『(1)ずれ抵抗であるのか、(2)45度方向の引張(圧縮)抵抗なのか』と いうことで, (1)のずれ抵抗を,マッチ箱をせん断で変形させたような状態(4辺90度だったも のが,相向かう2角が,鈍角,鋭角になった状態)を考え, (2)を1方向引張,他方向圧縮(両者の絶対値は同じ)として, イメージしてください. そして,答えは,どちらも,力学的に等価ということです.

すなわち,応力(ひず み)は,ベクトル量であるので(厳密には2階のテンソル),その取り出す向き方向 (座標軸)よって,'見え方'が異なるということで,どれも正解ということです. (1)ずれ変形状態:対象としている,梁または平面部材の座標軸での見方,(2) 1方向引張/他方向圧縮:主応力状態での見方,となり,純せん断状態(pure shear) では,これが45度方向になります.


3.この2つの状態は,お互いに45度方向の応力状態(またはひずみ状態)ですの で,モールの応力円(または,ひずみ円)で考えれば,円上でお互いに90度(モール の円上では,角度*2をとるので)に位置します. これは,グレーの教科書のうち,p.125の図6−2,p.185の表9−1を見 れば,わかりやすい.


4.このどちらがわかりやすいか,理解し易いかは,状況によって異なり,使い分 けるとよいでしょう. 弾性状態であれば,両方理解してもらいたいし,ひび割れの発生時期と発生方向は, 主応力方向で考えるとよい. さらには,「ひび割れコンクリート+縦横鉄筋網」で構成される部材を考えると,か なり,複雑になりますが, 教科書9章のうち,p.184〜を熟読ください.この章での,図表をわかりやわす く,説明したつもりです.


5.さらに,破壊状態を考え,『もしも、ずれ破壊と引張による破壊形式が異なった ものであるとき、』のような考察を行う場合,どちらを使ったらよいか(または,更に異なる概念を用いるか)については,「その現象をより合理的,客観的に説明で きるか」という観点から,判断/採用すればよい.すなわち,'都合のよい方を とればよい'ということになります.
                                                                    (2003/7/16)

27
質問者 匿名希望
質問箇所
質問内容

現在清掃工場を建築中です。
基礎を直接基礎とし,地体力の弱い部分は地盤改良をしています。
直接基礎部分が耐圧盤として2mの厚さになります。
高炉セメントにてコ ンクリートの解析を行ないましたが,
その結果温度ひび割れ指数が1.25となりました。

発注者としては温度ひび割れ指数が1.5以上か許容ひび割れ幅を
0.05(地下部分で地 下水位が低いため国土交通省の共通仕様書より)
で検討すべきではないかと考えてい ます。
施工者は1.25あれば十分であるような話をしますが,
温度ひび割れ指数は確率 の話なので,
少なくてもひび割れの起きる確立は0に近い形で設計すべきだと思います。

セメントを高炉セメントで計画しているので,
中庸熱セメントに変えれば解析の 結果も良くなると思われます。
地下水位の高いマスコンクリートの計画として,
温度ひび割れ指数と許容ひび割れ幅 はいくつに設定して計画するのがベストでしょうか?

回答;

1.土木学会標準示方書(施工編)にある,
ひび割れ指数と発生確率の関係(2002年度版,コンクリート示方書の解説,図4.2.1,p43)は,
無筋/鉄筋両者に対する,温度ひび割れの発生確率そのものを表現している.

2.これに対して,ひび割れ幅に関する記述(示方書の解説,図4.2.2)は,
鉄筋コンクリートを対象にしている. > 実際,同図には,鉄筋比た大,中,小,3つのものに対して,作図されている.
ただし,これは,梁部材に置換えられる部材の実験結果に基づくものでである.

3,従って,今回の直接基礎部分(2mの耐圧盤)に適用するのは,難しいのではないか.
例えば,直接基礎部分の鉄筋比の計算をどうしたいらよいか.

4,結論としては,ひび割れ幅には触れずに,ひび割れ指数のみとし,
現場監理として,適当な値(例えば,1.5以上)を課すべきでしょう.
このための方策として,文面にあるセメントの変更のほか,
打設計画,打設温度,などで対処したらどうでしょうか.

いただいた,質問コーナーは,本来の範囲を超えたものですが,
これは,JCI(日本コンクリート工学協会)の温度応力委員会からの提案であり,
そちらに問合せたらどうでしょうか.
                                                                    (2002/2/22)

26
質問者 鹿児島の大原
質問箇所 鉄筋かぶりについて教えて下さい。

コンクリート示方書には、構造物の鉄筋かぶりが7cm以上等と書かれていますが、
最大(最大許容値)はどれくらいでしょうか?
宜しくお願い致します。
質問内容

工事の完成検査時に、7cm以上あったので指摘を受けましたが、
許容値がわかりません。

回答;

1.
「かぶり」の工学的な役割は,3つあります.
・コンクリートが鉄筋との十分な付着強度を得ること.----鉄筋とコンクリートの一体性の確保
・鉄筋の腐食を防ぐこと.-----鉄筋の防錆
・火災に対して,鉄筋を保護すること-------耐火性の確保

2.
したがって,かぶりを十分確保することにより,上記の3項目は確保される訳で す.
ただし,そのかぶりの最小値は,経験的な要因もあり,具体的に何cmがよくて,
何 cmだとダメというのは,難しいところです.
基本的には,示方書,ガイドライン,に従うのが本来の手順です.

3.
そして,構造細目にある,かぶりの規定は,‘最小値’が規定されており,
‘最 大値’の規定は,ありません.
つまり,構造細目上は,かぶりの規定値より,構造物の中に入っていればOKというこ とになる.
**紅白の教科書,8章,p.153, 表8−3を参照ください.**

ただし,これとは別に,設計図面上で鉄筋の位置があるはずですから,
鉄筋は本来 その位置になければなりません.

例えば,曲げ部材における引張鉄筋の位置は有効高さdによって表されますが,
こ のdは,「d=全高さ−かぶり」 ということになり,
変な話ですが,かぶりが少ないほど,曲げ耐力が得られ,
かぶり を大きくとると,曲げ耐力が小さくなる.
ですから,「完成時に,7cm以上あったので指摘を受けた」とありますが,
本 来,「設計図面上で,何cmだった」のかが,問題です.

4.
言い換えると,鉄筋コンクリートの設計者は,
@構造細目にある,かぶりの最小値, と
A曲げ耐力(もしくは曲げ応力度) の両者を勘案して,RC断面を設計するわけで,
施工上は,外側にも内側にもずらし てはいけません,基本的には.

5.
ただし,どのような場合でも,施工誤差はありますが,
その許容値は,やはり,ケースごとに考えるしかありません.

ただ,考え方としては,ご質問のように,断面の内側にずれていれば,
断面耐力(も しくは応力)の観点から,チェックすればよいでしょう.
また,外側(露出面側)にずれれば,耐久性(鉄筋腐食)と耐火性から,
再検討とい うことになります.
                                                                    (2002/12/6)

25
質問者 のり
質問箇所 道路橋示方書・同解説 Vコンクリート橋偏 押し抜きせん断に対する設計法
P154 3.2.1(1)押し抜きせん断応力度について
質問内容

許容押し抜きせん断力は、コンクリート強度が21以上となっていますが、
無筋コン クリートの許容値は無いのですか?
又、算出する計算式等ありましたら、教えて頂きたいのですが。

δa3=0.8×δck/18と言うのを見たことがあるのですが・・・

回答;

#1:
許容押し抜きせん断力は、コンクリート強度が21以上となっていますが..

許容押し抜きせん断応力のことで,21N/mm2〜60N/mm2に対して,規定されている ので,
この範囲で設計するのが順当なところでしょう.

#2:
無筋コンクリートの許容値は無いのですか?

押し抜きせん断に対する設計は,基本的に無筋コンクリートです.間接的には,引張 鉄筋の寄与はありますが,
押し抜きせん断力によるコンクリートのせん断応力τp(式4.6.1,新示方書です)を 算出し,
これを許容押し抜きせん断応力と比較することにより照査する.

これは,例えば,梁部材のせん断設計で言えば,せん断補強筋のないときのせん断耐 力となり,
基本的にコンクリートが対抗することになり,これは,言わば,無筋コンクリートで す.
(このときも,軸方向筋(主鉄筋)は存在するが,影武者です)

#3:
この押し抜きせん断のメカニズムは,紅白の教科書に詳しく,第8章,p178を参照 ください.


追伸:
小生,道路橋示方書については,それほ,馴染みがなく,わかる範囲で回答しまし た.
                                                                   (2002/12/5)

24
質問者 建設コンサルタント会社勤務
質問箇所 グレーの教科書
「第10章 ひび割れと変形」のうち,p.207〜208ページの
耐久性ひびわれ検討用の変動荷重の低減係数k2について
質問内容

グレーの教科書208ページにコンクリート標準示方書における耐久性ひびわれ幅算定式について触れられていらっしゃいますが、算定式中の鉄筋の増加応力σseを求める際の変動荷重の低減係数k2について以前より疑問に思うことがありましたので,質問させていただきます。

コンクリート標準示方書を読んでみると、
「変動荷重の頻度や持続性等を考慮し適切に設定する云々」
あるいは「全荷重における永久荷重の比率が大きくかつ変動荷重の頻度が高いものは変動荷重の影響を大きく、全荷重における永久荷重の比率が小さくかつ変動荷重の頻度が低いものは変動荷重の影響を小さく」
といった記述があるのですが、その意味するところがもう一つ理解できません。

「鉄標」などではk2の値として死荷重比率:Md/(Md+Ml)を採用しているようですが、変動荷重の評価を行うのになぜ死荷重比率を用いるのかも疑問です。  

この低減係数k2の意味合い、あるいは適切な評価方法があればお教えください。

回答;

1.ご指摘の内容は,(曲げ)ひび割れの検討の中での,荷重の取扱いです.
これは,旧コンクリート示方書にある記載事項を再記すると,下式となる.

Se = Sp + k2*Sr

ここで,Se =ひび割れ幅検討のための断面力, Sp=永久荷重による断面力,Sr=変動荷重による断面力.
とくに,変動荷重Srにかかる係数k2が,質問文にあるように,0〜1の間をとる係数です.

2.ここで,両荷重の作用特性により,
永久荷重による断面力Spは常時作用し,これにより,ひび割れは常に開口している.
変動荷重による断面力Srは,作用時のみひび割れは開口し,作用していないときはその分閉口する.
そして,ひび割れによる鋼材腐食を検討(照査)する場合,このような荷重特性を勘案する必要がある.
すなわち,

3.したがって,係数k2は,
・全荷重のうち,永久荷重の占める割合が大きく,かつ変動荷重の頻度と持続性が大きい ⇒ 係数k2が大
・全荷重のうち,永久荷重の占める割合が小さく,かつ変動荷重の頻度と持続性が小さい ⇒ 係数k2が小
(ここで,全荷重=Sp + Srとしている)

つまり(質問に対する回答ですが),荷重の作用する時間が長ければ,
それだけ,ひび割れが開口,鋼材が腐食環境に曝される時間が長くなり,
このため,腐食の進度がより進行することになる.
ただし,算定式:Se = Sp + k2*Sr,にあるように,Sp とSrが分離されているので,
「全荷重のうち,永久荷重の占める割合」とか,死荷重比率:Md/(Md+Ml),は関係ないような気がします.

4.それでは,旧コンクリート示方書では,k2=0.5としているのか?
「コンクリート標準示方書(昭和61年制定 改訂資料 昭和61年10月 土木学会」(コンクリートライブラリー,第61号)
によれば,
「k2 の具体的な数値を定めるには,実測データ等が現状では十分でないがあ,示方書では,
各種の比較検討から,一般に0.5程度としてよいとした」 との記述がある.

5.私の個人的な提案としては,
永久荷重に無関係に,変動荷重の頻度と持続性を時間換算して,
1日のうち,実効作用時間を(概算でもよいので)算出し,24時間に対する比率により,係数k2を設定すればよい
と思います.


23
質問者 コンサル技術者
質問箇所 コンクリート標準示方書・耐震設計編
4.2耐震性能2および耐震性能3に対する照査 (6)破壊モードの判定
質問内容 新設浄水場の検討において、レベル2・限界状態で照査を行っています。
@曲げ破壊照査、Aせん断破壊照査、B曲げ破壊先行照査
以上を満足させるという条件で、照査しています。
@とAについては問題ないのですが、Bについてわからないことがあります。

検討は、構造物のフレーム解析によって求まった断面力で鉄筋・部材厚を決定しました。
破壊モードの判定で照査する断面力は、部材前面からh/2離れた位置です。
(耐震設計編P94参照)

このような条件で、照査位置の断面力が 曲げM=小、せん断力S=大 となっている個所が出てきて、
せん断破壊モードになると判定されてしまいます。
Aのせん断照査では十分(スターラップ不要)なのですが、 曲げ破壊先行を満足させるためには
相当量のスターラップを入れなければならない、という結果になります。
せん断力が小さいにも関わらず、せん断破壊防止のためにせん断補強筋を入れる必要があるのでしょうか? (ラーメンの部材端においては、曲げ=大 せん断=大 となるのが一般的ですが、そうなりませんでした) 宜しくお願いします。
回答;
1.まずは,ある断面にて,
「@曲げ破壊照査、Aせん断破壊照査、B曲げ破壊先行照査,のすべてを照査する」
ことは,合理的ではなく,示方書にてそのようには,規定していません.

2,したがって,
「曲げM=小、せん断力S=大 となっている個所」
に,曲げ破壊先行となるように設計することは,意味はなく,ご指摘のように,事実上無理でしょう.

同様に,
「せん断力が小さいにも関わらず、せん断破壊防止のためにせん断補強筋を入れる必要があるのでしょうか?」
その必要は,ありません.

3.さて,現行の耐震設計編(平成8年版)を解釈すると,

@破壊モードの判定式(式(4.2.1),(4.2.2))は,単柱形式の部材を対象とした考えられ,
ラーメン部材など,複数の塑性ヒンジ,検討断面がある場合は,その意味を勘案して,
「設計地震力をさらに増加させたときに,検討断面が,せん断破壊するか,曲げ破壊するか」を見極めます.

指摘のような,
「曲げM=小、せん断力S=大」なる検討断面では,
どんなに頑張っても, 曲げ破壊するには,相当非現実的な断面となるでしょう.

A その破壊モードの判定結果が,曲げ破壊の場合:
塑性ヒンジの形成が期待できる場合は,変形能(応答塑性量と部材の保有靭性の対比)にて,照査します(靭性設計).

B 破壊モードの判定結果が,せん断破壊の場合:
設計地震力にてせん断破壊しないように,照査しますが,
この場合は,当然のことながら,荷重/耐力ベースにて設計します(耐力設計).

4.最新情報として,
現行の『耐震設計編』が,『耐震性能照査編』として,まもなく,改訂/発刊されます.
講習会も予定されており,東京会場12月12日,大阪会場1月30日,となっています.

22
質問者 匿名(コンサルタント)
質問箇所 鉄筋コンクリートの解析と設計
8-4 スラブの押抜きせん断(P176)
質問内容 押し抜きせん断の終局耐力は、P178に各種の提案がされていますが、
部材圧が一定で無い場合には、どの様に考えたらよいでしょうか?
右側破壊断面と左側破壊断面の高さが違うような場合です。
やはり高さの低い方に合わすべくでしょうか?

例えば、支点部近傍で押し抜きを考える場合、受圧面が片側端部の場合、
一様にならないので上記計算式を使えないと思いますが、どうでしょうか?
回答;
質問内容を,2つに分けて,
@部材圧が一定でない場合:
これは,例えば,棒部材(梁部材)の場合,現行示方書にて,部材の高さ変化(一様ではない場合)の取扱いが明記されている.
ただし,これは,断面力(せん断力)への影響に対するする処理であり,この問合わせとは異なる.

押し抜きせん断の場合,(私の知る限り)とくに規定がなく,現行の示方書では,‘仮想破壊面’の考え方を用いているので,
右側と左側の平均値,としても構わないと考え,低い方に合わせれば,安全側となるでしょう.

既往研究はじめ,とくに報告例がなく,個別ごとに判断せざるを得ません.

A 支点部近傍で押抜きせん断:
この場合,確かに,一般部のような,完全な‘仮想破壊面’が形成されないでの,修正が必要です.
10年ほど前に国内で実験報告があったような記憶があり,見つかり次第再度,報告します.

21
質問者 ゼネコン技術部門
質問箇所 コンクリ−ト標準示方書 設計編
P27の(解3.2.5)式について
質問内容 乾燥開始時のコンクリ−トの有効材齢(日)の算出方法がわかりません。
また、(解3.2.5)式については他式に比べ解説が乏しいと思う のは、浅学の私だけでしょうか?
具体事例で、御解説いただければ大変助かります。
回答;
(解3.2.5)式は,確かにわかりにく数式ですが,温度の履歴を勘案した材齢(有効材齢)を算出するためのものです.

これは,実際の材齢=120日に対する有効材齢を求める場合,120日間における温度履歴から,
例えば,

T= 0〜 5℃ → 凾1=6日
T= 5〜10℃ → 凾2=37日
T=10〜15℃ → 凾3=56日
・・・
・・・

のように分類し,(解3.2.5)を適用して,有効材齢に換算しようとするものである.
(ここでは,温度を5℃きざみとしましたが,実際は,もう少し細かくする必要があるでしょう)

従って,暑い/寒いの実際の順序(温度履歴そのもの)は反映されず,「何日間,何度だったか」で有効材麗が決定されます.

***
投稿者どの:本コーナーへの投稿ありがとう.

「だれでも質問コーナー」は,教育教材コーナーで紹介している,2編の教科書に関して回答しています.

次回から,この範囲にてご質問ください.

回答がかなり,遅くなりました.
***

20
質問者 (株)トータルインフォメーションサービス  金子 修
質問箇所 グレーの教科書のうち,4章:曲げ,6章:せん断について.
質問内容 軸方向鉄筋は,曲げ耐力に関係し、スターラップ(帯鉄筋)はせん断耐力に関係するのですが, 今度は,軸方向鉄筋がせん断耐力に,スターラップが曲げ耐力に,影響を与える ということは,あるのでしょうか.
回答;
おもしろい質問です.
教科書の内容をまとめると,次のようになります.

@軸方向筋(圧縮/引張鉄筋)

曲げ耐力に対して,主役として寄与
軸方向鉄筋(引張鉄筋のみ)もせん断耐力に多少寄与し、
土木学会標準示方書ではβpとしてVcdに算入される

A帯鉄筋/スターラップ(せん断補強筋)

せん断耐力に対して,主役として機能する.
さらに, コンファインドコンクリート(拘束コンクリート)の形成に役立ち,圧縮コンクリートの性能向上に寄与する.

このことは,曲げ挙動に影響を与え,曲げ耐力そのものにはそれほど効果はないが,曲げ靭性の向上に 多大のプラス効果を与える.
コンファインドコンクリートは,柱の耐震性に重要なポイントとなる.

19
質問者 北本 廣平(武蔵工業大学 土木工学専攻 修士1年)
質問箇所 第4章:曲げモーメント受ける部材(グレーの教科書)
質問内容 「4−3:曲げ部材の弾性解析」,特に <例題4.2>について,質問します.

質問# 1:  抵抗曲げモーメントとは,どういったものなのですか?

質問#2: p75の下にかかれている,”Ms2はあまり大きな値をとらない”,とはど ういうことを意味するのですか?

質問# 3: p81の下にかかれている,”終局耐力としては適切ではない”とは?

質問#4: 縁応力σの添え字cuは終局を意味しているのですか?
回答;
質問# 1:  弾性域(引張コンクリートは無視するが)での抵抗曲げモーメントで あり,終局時での終局曲げモーメントとは異なる.
構成材料である鉄筋とコンクリー トの応力で,外部から作用する断面力(曲げモーメント)に抵抗しているので,この ように呼ぶことがある.
終局曲げモーメントは,破壊時(壊れるときの)の曲げモーメントであるので,‘抵 抗’と呼ぶには,いささか抵抗がある.

質問# 2:  申し訳ないが,どうしてこのような記述をしたか,忘れました.
Ms1とMcの大小関係が問題となり,すくなくとも,‘正常な配筋’
(under-reinforcement)であれば, Ms1<Mc,かつ,Ms1<Ms2
でなければならない.
いずれにしても,教科書にあるような,解析解による計算の場合,圧縮鉄筋の降伏 は,あまり考えないことにしましょう.
柱部材などのように,側方鉄筋がある場合など,諸鉄筋の降伏/未降伏をきちんと計 算する場合は,ファイバーモデルなどの,数値解析プログラムを使った方が得策で す.

質問# 3:  抵抗モーメントの算出条件からわかるように,材料は弾性(引張コン クリートは無視)を仮定しおり,その延長線で考えている(鉄筋が降伏,コンクリー トが圧縮破壊の先に来た方)ので,必ずしも終局状態を仮定しているわけではない.
このため,“必ずしも適切ではない”,と記述したもので,正しくは,次節の「4-4  曲げ部材の終局耐力」での計算手法を用いた方がよい.
ただ,興味あることは,この二つの計算結果(抵抗モーメントによる方法と等価応力 ブロック法)があまり,差がない(前者がやや小さい)ことであり,<例題4.2> と<例題4.3>の算定結果を比較されたい.
(この例では,抵抗モーメント法 < 等価応力ブロック法 となっている)

質問# 4: 添え字cuは,コンクリート圧縮縁での応力を示したもので,σcu と σc とを区別している.
従って,この添え字に特に終局の意味はなく,終局(圧縮破壊)には,fcのよう に,基本的にfを用いる.

質問,ありがとう.
これは,本年度前期の大学院授業「鉄筋コンクリート特論」での質問内容と記憶して いる.
回答が遅れました.

18
質問者 ゼネコン技研勤務
質問箇所 鉄筋コンクリートの解析と設計(グレーの教科書)
第5章:軸力と曲げを受ける部材
5-4 軸力と曲げを受ける部材の終局耐力 図5-12 相互作用図(破壊包絡線)
質問内容 文献の記述内容から少し離れてしまうかもしれませんが、 上記教科書の破壊包絡線の記述は,非常にわかりやすくスムーズに 理解できました。

破壊包絡線について理解でき、さらに考えていると、

 質問#1: 破壊包絡線(終局曲面)の内側に降伏曲面とひびわれ曲面があるはずですが、
その曲面の規定の仕方をよく理解することができません。

 質問#2: 終局曲面の記述にあるように釣合偏心状態を境にして、
引張破壊側は引張鉄筋の引張降伏で規定することはわかりますが、
圧縮破壊側は圧縮鉄筋の圧縮降伏で規定するのでしょうか。

 質問#3: また、ひびわれ曲面については、圧縮破壊側ではひびわれが起こらず、
曲面の規定のしようがない(曲面自体が存在しない)ということでしょうか。

初歩的な質問かもしれませんが、 回答宜しくお願いいたします。
回答;
 質問#1:  ご質問のように,破壊包絡線(終局曲面)の内側に降伏曲面とひびわれ曲面があり,
普通の教科書にはあまり記載されていません.

・降伏曲面:RC断面の場合,引張鉄筋の降伏条件から決定する
・ひび割れ局面:引張側コンクリートの引張破壊により決定する
もので,いずれも,計算方法は,終局荷重より簡単です.

 本問題に関する計算プログラムは,以下に格納されているので,お試しくださ い.

 電子サイバー講座>RC構造ゼミナール>コンクリートゼミナール(課題1)
http://c-pc8.civil.musashi-tech.ac.jp/RC/xls/MNExcel.xls

 ここでは,計算例(エクセル出力)に,凡例として,
   破壊包絡線(終局曲面):Mu - Nu
   降伏曲面:My - Ny
   ひびわれ曲面 :Mc - Nc
のように示されています.ご確認ください.

 質問#2:
ご質問にある,
「圧縮破壊側は圧縮鉄筋の圧縮降伏で規定するのか?」
については,そのとおりです.
 ただ,圧縮鉄筋の降伏については,工学的にあまり重要ではなく,
ややこしい こともあり,考えないことにしましょう.
(回答になっていませんが,お許しを)
 軸力がない純曲げについては,4章<例題4.3>(p.90〜)
に計算例を示しまし たが,ご参考までに.

 質問#3:
 そのとおりです.
コンクリートゼミナール(課題1)を見ればわかるように,引張側のみに存在し ます.

17
質問者 りょうた/北九州市在住
質問箇所  
質問内容 外部のものです。いつも楽しくHP見さしていただいております。
私は、九州のほうで、コンクリートについて研究しております。
しかしながら、勉強不足のせいか、「構成則」について一行に理解できません。
これから、FEM解析に挑戦しようと思い、勉強し始めたのですが分からないことがあり、
御質問さしていただきます。
返信していただければうれしいです。

・質問1:Von Misesの条件、Drucker-Pragerの条件、Mohr-Coulombの条件についてのそれぞれの違いとを教えて下さい。
分かりやすい絵などあればうれしいです。

・質問2:コンクリートの圧縮における破壊(例えばフーチングの押し抜きせん断破壊)にはどの破壊基準が適当なのですか。

・この本を読めば構成則が分かる、といった本があれば教えていただきたいです。
回答;
 質問箱に記したように,このコーナーは,教科書に関する内容を対象としてい ますので,ご質問の内容には直接お答えできません.

ただし,
1.弾性問題に関する構成則およびひび割れ解析に関する構成則の2点について は,
  電子サイバー講座>コンクリート工学 に掲載予定です.
  時期は明言できませんが,ご参照ください.

2.また,コンクリート材料を対象とした構成方程式については,
  「コンクリート構造物の塑性解析」(W.F.Chen著,色部/河角/安達監訳,丸 善) に,詳しく記載されている.

16
質問者 コンサル設計者
質問箇所 軽量コンクリートの設計
質問内容 軽量コンクリートを用いた部材(桁や床版)において、終局耐力を算出する際の応力度-ひずみ曲線は、どのように設定したら良いのでしょうか。

・記載されている文献があれば教えてください。
・ない場合、実験で算出し、これを設計に用いても構いませんか。
・又、その式の安全性は、何処で承認してもらうのでしょうか。
・さらに、終局歪みは、同強度の普通コンクリートと同値(σck=24N/mm2のとき0.0035)で良いのでしょうか。
回答;
****軽量コンクリートを用いた部材設計のご質問ですが,
質問箱に記載されているとおり,教科書(紅白の教科書,グレーの教科書)の記載範囲でしか回答できません.ご了承ください.

 そこで,コンクリート標準仕方書(設計編)の記載内容に従って, お答えします.

1.ヤング係数(弾性係数):
 ヤング係数(弾性係数)については,軽量骨材コンクリートは同強度の普通コ ンクリートに比べて,小さくなり,
これは,一覧表として記載されている.
(紅白の教科書:第2章,p.21, 表2-8)

例えば,fck=24N/mm2のとき,
     軽量骨材コンクリートの弾性係数:Ec=15kN/mm2
     普通コンクリートの弾性係数:Ec=25kN/mm2
この場合,約60%に低減しており,軽量骨材コンクリートの重要な性質である.
(もちろん,軽量骨材の種類と配合によって異なる).

2.応力〜ひずみ関係:
 普通コンクリートについては,放物線/直線モデル(parabolic-linear model) が用いられているが,
軽量骨材コンクリートの場合も同様のものを使ってよい と明記されている.
(紅白の教科書:第2章,p.17, 図2-4)
 従って,終局ひずみも,同図にある0.0035を用いてよいことになるが,ここで は,何とも答えられません.

3.軽量骨材コンクリートの研究は古くから,行われており,相当量の報告例が ある.
構造部材への適用については,各事業団体の仕方書,ガイドラインにまと められていることが多く,そちらを参照されたい.

15
質問者 匿名/設計事務所
質問箇所 コンクリ−ト標準示方書
8章:面内力を受ける平面部材
6.3.4 面部材の設計押抜きせん断耐力
質問内容 #1.耐力算出に用いる有効高は(断面高−鉄筋かぶり)は載荷面側の鉄筋かぶりを使用するのか,反対側か
#2.既設スラブを載荷面の部分増厚補強する場合は載荷面からどの程度増厚すれば有効高に増厚分を考慮できるか
回答;
#1:
押抜きせん断耐力の算定に用いる‘有効高さ’は,載荷面から引張側(載荷面の反対側)鉄筋までの距離です.
(グレーの教科書,p.177参照)
これは,全高さをとってもよいのですが,曲げ解析に準じて,このような有効高さを用いているようです.

#2:
質問の趣旨がよくわかりませんが,
「既設スラブの載荷面に増厚補強した場合,有効高=既設スラブの有効高さ+増厚分,としてよいか」
の質問として考えてみましょう.

これは,現行標準示方書にも,とくには明記されてはなく,‘十分な一体性’が確保された場合,に限られるでしょう.

一般に,橋脚のRC巻立て(耐震補強)やRCスラブの下面増圧など,これまで設計施工例の少なくなく,
いずれも,増打ち部分(補強部)を込みで一体とするか,ある程度割り引いて設計(算定)しているようです.
ただし,いずれの場合も,既設部分と増打ち部分と一体性が要求されます.

回答者:
当コーナーへの投稿ありがとうございます.
質問箱に注記しましたように,当コーナーへの質問内容は,
本HPで紹介している2冊の教科書の記述内容に限られます.

14
質問者 9817064
takeshy
質問箇所 鉄筋コンクリート(1)
第2章:グレーの教科書p.26, 式(2.12)
式の次元について
質問内容 コンクリートの世界?では,たまにどう考えても次元があわない ことがあります。
例えば f´bk=0.42(f´ck)^(2/3)[MPa] のようなものが多々あります。
そこらへんはシカトしてもいいんでしょうか?
回答;
いいところに気が付いた.
次のように考えて下さい.

1.確かに,上記式は,p.26にある材料強度の式であるが,
左辺=強度[MPa]の1乗,右辺=強度[MPa]の2/3乗
であるので, 考えなくとも次元は一致しない.

2. 例えば,上式の場合,コンクリートの曲げ強度f´bk が,同じ品質のもの(配合)の圧縮強度f´ckには,
正比例せず,もう少しマイルドに影響するので,その影響程度を2/3乗として,実験式として表したものである.
そして,普通コンクリートでは,係数を0.42とすると実験結果とよく合うということである.
これは,コンクリートのみならず,工学分野でよく用いられる方法であり,常套手段でもある.

3.したがって,次元が合わずとも,そういうものと受け入れてもらたい.
何かもっとよい実験式の形式があれば,よいのだが.

4.ただ,このような次元が合わない式は,単位系が変ると,係数(この例では,0.42)も変るということ に注意されたい.
グレーの教科書p.26の諸式を見てもらたい.
従来単位から,国際SI単位に変ると,係数が違っていることがわかる.
このようなときの係数の変換については,グレーの教科書巻末p.252(紅白の教科書p.207) を参照されたい.

以上のことは,実学としての工学では重要なこと.
「シカト」せず,しっかりとその意味するところ理解して下され.

13
質問者 八王子市内の中学校3年
質問箇所 ドップラー効果
ポアソン効果
質問内容 ドップラ−効果とポアソン効果の違いを解かりやすく教えてください!
その他,中学生でもわかる物理学の現象を教えてください!
回答;
これは,これは,中学生からの質問です.歓迎します.投稿ありがとう.
質問にあるドップラ−効果とポアソン効果は全く別物で,


1.まづは,ドップラ−効果ですが:
これは,わかりやすくは,音源(音を出しているもと)が近づいてくる場合,高く聞こえ, 遠ざかる場合低く聞こえる現象と説明できます.
「救急車のサイレン」,「電車に乗って聞く踏み切りの音」など,身近に多く体験することができ, 馴染みのある物理現象でしょう.
これは,有名なオーストリアの物理学者ドップラー(1803〜1853)から,名づけられたものです.
本来,伝わる波長が相対的に短く(高い音),長く(低い音)のように,波動理論から説明でき, 必ずしも中学生には難しくないはず.
また,驚くことに,宇宙の膨張など天文学にとっても重要な現象であるというこです.
(以上は,必ずしも本HPの専門ではないので,詳しくは,internetなどで検索して下さい)


2.次にポアソン効果ですが:
これは,我々コンクリートなどの材料を扱う工学者にとって重要な概念です.
さいころのような正立方体を一方向に押すとその直交方向(2つある)に少しはみ出る現象.
あるいは,ある一方向に引張るとその直交方向(2つある)に少し縮む現象.
すなわち,ある一方向の変形(伸びまたは縮み)を与えると,
その直交方向に逆の変形が生じるということです.

もし,立方体の風船があれば,簡単に実験できるでしょう.
例えば,饅頭を手で一方向に押さえると,横からアンコが飛び出る現象など.

このとき,最初に押えた変形の何割ぐらいが,横方向に出てくるか,これをポアソン比という.
このポアソン比が,例えば1より大きかったらおかしいを思いませんか?.
普通の物体でしたら,0.5から1の間にある.
****詳しくは,本コーナーの質問#1,教科書の第2章:2-1-1応力とひずみを見て下さい

3.さて,その他の中学生でもわかる物理学の現象,ということですが:
これは,地震の発生,気象(雨,雪,雷)のような自然現象,
鉛筆が折れるというような破壊のこと,
飛び箱を飛び越すなど運動問題,
すべてが物理学の現象です.
このような現象は,だいたい正体は明らかとなりつつありますが,まだまだわからないことが多い.
従って,質問者のような中学生が物理問題に興味を持ち,科学者として,
または我々のような工学者(エンジニア)として,早く仕事の仲間に入ってもらいたい.

12
質問者 匿名
質問箇所 回答参照
質問内容 回答参照
回答;
*******そちらの大学にも授業にも在籍/出席していませんがよろしいでしょうか?
もちろん,OKです.学外からの質問が,この「だれでも質問コーナー」の趣旨です.
ただし,質問内容は教科書などに限定し,問合せのような内容への回答には限界があります. ご承知おきを.

*****現在私はアメリカの工学系大学で構造建築を勉強中の者です。
*****心配事というか卒業後、帰国して日本で就職時に今勉強している知識は役立つのであろうか、と不安になります。
海外だからといって,心配する必要は何もありません. むしろ,英語圏,工学先進国米国で学んだ意義は大きい. 今なお,我々日本の大学教員は,米国の大学院に留学を指向し, もしくは共同研究の相手先として,アメリカ向きであることが多い.

***1)用語
***慣性モーメントなど、英語が入った用語は日本語でも理解できるのですが、Torsional buckling, Deflection,Deformation etc. など英語から日本語にあたる用語が思い当らない、変換できない。
心配ご無用.これから,徐々に頭に入ります.
及ばずながら,「技術英語入門」を参考にされたし.(ただしPDFファイルです) http://c-pc8.civil.musashi-tech.ac.jp/RC/eng_a.htm
最も大切なことは,buckling(座屈), Deflection(たわみ,変形)のような概念を 力学的にきちんと理解しているかどうか,ということで,言語の違いではその次です.
力学的思考と工学概念は,言語に(ほぼ)無関係で,むしろ,英文学術書に良書/名著は多い.

***2)単位, Units
コンクリート、スティール強度をpsi,ksiで言われると大体の見当は付きます。fc'=3000psi fy=36ksiなど。
しかしこれらをN/mmでは把握してません。

***3)Code
コンクリートはACI,鋼鉄はLRFD(Load & Resistance Factor Design)を基礎として授業を進められています。
その中で使う公式、等式はUS単位を基準としているため国際単位とは微妙に違っていると思います。
これは,上記1)と,また違った意味合いがあり,要注意ですが, 徐々に慣れるしかありません.これからは,SI国際単位に移行します.
米国の従来単位で勉強したことが,マイナスと考えずに,種々の単位系を知っているというように, positiveに考えるべきでしょう.

***大学の指導者の立場としてどのようなアドバイスがありますでしょうか。
***卒業後スムーズに日本の建築業界に入っていくのにはどの様下準備、知識があればいいのでしょう。
異なる環境,異なる文化圏,異なる言語で学習したことは立派なキャリアです.
企業もそのように認めるはずで,これまでも多くの米国留学経験者が民間企業, 公的機関で活躍しています.

11
質問者 齋藤 匡也 (武蔵工大大学院生)
質問箇所 鉄筋コンクリートの解析と設計 (グレーの教科書)
p185、表9-1:単軸引張と純せん断の比較について
(9章:面内力を受ける平面部材)
質問内容 pp185 表9−1単軸引張と純せん断の比較 ひび割れ(破壊則)の部分で 破壊包絡線のグラフの読みかたがわかりません。 このグラフの主な意義(どのようなことを表しているのか) について教えてください。
回答;
質問の投稿ありがとう.かなり遅くなりましたが,回答します.
1.まずは,単軸引張と純せん断の比較のために,応力成分を確認したい.成分ベクトルを{σx,σy,τxy}, 主応力を{σ1,σ2}のようにすると, ・単軸引張:{σx,σy,τxy}={σ,0,0} 主応力はそのままで,{σ1,σ2}={σ,0} ・純せん断:{σx,σy,τxy}={0,0,τ} 主応力は45°回転して,{σ1,σ2}={-τ,τ} となる.括弧内は,主応力を表している. このことは,表中のモールの応力円で確認してもらいたい

2.次に,表中最下段の破壊包絡線であるが,これは,2次元応力下における無筋 コンクリートが破壊するかどうかの条件を示したもので,ある主応力状態σ1とσ 2について, ・主応力σ1とσ2が破壊包絡線の中にある.−→ 破壊しない ・主応力σ1とσ2が破壊包絡線の外にある.−→ 破壊する のように判断できる. ここでは,引張応力を正符号,圧縮応力を負としており,破壊包絡線の引張側が 小さく,圧縮側が大きく膨らんでいることを読みとることができ,コンクリート (高圧縮強度 /低引張強度)の特徴が表れている.

3.従って,単軸引張と純せん断に関して,それぞれ応力を比例的に少しずつ増や していくと,遅かれ早かれいつか,この破壊包絡線に到達し破壊する.その時の破壊条件 が包絡線上の ・単軸引張:{σ1,σ2}={σ,0} ・純せん断:{σ1,σ2}={-τ,τ} になっていることを確認されたい.

10
質問者 shogo toya
質問箇所 鉄筋コンクリートの解析と設計:  第5章 軸力と曲げを受ける部材
P116 図5-14について
質問内容 P116の破壊包絡線の計算例の図がありますが もしこのときP1=0%でP2=1.5%という状況になったら図はどのようになるのでしょうか? それとも鉄筋コンクリートの場合、引張力が0ということは、破壊包絡線が描けないのでしょうか? 教えてください.
回答;
質問の図5-14は, 圧縮鉄筋比P1+引張鉄筋比P2 =1.5% ということを条件とした数値計算例です.
1.まず,複鉄筋の場合,圧縮鉄筋を省略し,単鉄筋とすることは可能ですが, (肝心要の)引張鉄筋を省略することは有り得ません.

2.もし,質問のように,「P1=0%でP2=1.5%」とした場合, おそらく,鉄筋降伏先行領域でエラーになると思いますが,コンクリート圧縮領 域では他例と同様の耐力がでるはずですが.
(ものは試し,計算してみて下さい.プログラムによって異なりますが) http://c-pc8.civil.musashi-tech.ac.jp/RC/semi_a.htm

3.実際はどうか. この場合,P2=1.5%が引張鉄筋,それまでの距離d2が有効高さとなり,それな りの耐力は出るはずです.有効高さが著しく小さくなるわけですから,耐力ゼロ に等しいかもしれませんが,実験すればそうなるはずです.
以上の状況について,そのメカニズムを頭でよく考えることが大切です.

9
質問者 土木工学専攻大学院生(都内在住)
質問箇所 鉄筋コンクリートの解析と設計
第6章:せん断力を受ける部材(図6-2) p125の〔b〕図の主応力線図
質問内容 これは,一般的な梁の応力状態を主応力線図にて表したものと思いますが, 主応力線図の見方がわかりません。
主応力線として,実線と点線がありますが, これらは何を表しているのですか? ご教示お願いします。
回答;
主応力は方向を持つベクトル量であるが,各点ごとの主応力方向を連ねたものを 主応力線と呼ぶ.
本例のような,平面応力状態では,主応力が2個(これらを大きい方から,第1主応力,第2主応力と呼ぶ)あるので,第1主応力に対する主応力線,第2主応力 に対する主応力線を描くことができ,図中の2組ができる. ここでは, ・第1主応力線図:引張応力の主応力となり,実線にて表記 ・第2主応力線図:圧縮応力の主応力となり,点線にて表記 している.
このように,引張と圧縮に関する2本の主応力線図により,応力の流れというか, 応力状態を推し量ることができ,非常に便利である.
ただし,応力ベクトルのうち,方向のみを表示するものではあるが,大きさに関 する情報はないので,注意を要する.

8
質問者 渡邊修吾/建設情報研(修士1年)
質問箇所

鉄筋コンクリートの解析と設計
第5章:曲げモーメントと軸力を受ける部材 (P109〜)

質問内容 授業中に聞こうと思って忘れていました.
偏心量eがe=M/Nと曲げモーメントと軸方向力の比率で表せるのはなぜですか?
回答;
断面力として,曲げモーメントMと軸方向力Nを受ける部材断面は,外部からの荷重で考える.
この場合,偏心量eをもつ軸力Pが作用する,このときの断面力としては, N=P,M=ePとなる(p.103〜 104).
したがって,両者を割り算すると, e=M/Nということになる.
また,この偏心量eは,当然長さの単位となるが,これを無次元化するために, 有効高さdで除して, e/d=(M/d)/N のようにすることもある.

7
質問者 著者記入
質問箇所 鉄筋コンクリートの解析と設計:第4章 曲げ終局耐力の算定
複鉄筋長方形断面:pp.87〜88
質問内容 #6の質問に対する再度の回答(著者:吉川弘道)
回答;
前回#6の質問(圧縮鉄筋が未降伏の場合の曲げ終局耐力の算定)について,
「圧縮鉄筋に対して,降伏強度f'yの替わりに実際の応力σ's2を用いる」
旨,回答しましたが,本件に付いてあらたにレポートをまとめましたので, 関心のある人は是非ご確認下さい.
搭載個所:教育教材のコーナー>使用教科書>目次該当個所
URL://c-pc8.civil.musashi-tech.ac.jp/RC/pdf/text_html_4.4.1.pdf

6
質問者 私立大学土木工学科
鉄筋コンクリート担当教員
質問箇所 鉄筋コンクリートの解析と設計:第4章 曲げ終局耐力の算定
複鉄筋長方形断面:pp.87〜88
質問内容 式(4.61)〜(4.66)を見ると,(p1fy-p2f'y)または(p1-p2)なる項が含まれており,圧縮鉄筋と引張鉄筋で,降伏強度が等しくかつ等量配筋の場合,これらの項は必ずゼロとなってしまいます.
この場合,k=0(式(4.61))になったり,分母にあるとゼロ割を引き起こすなど,不合理な事態となり,どのように考えたらよいのでしょうか?
回答;
まず,p1fy-p2f'y=0となるときは,圧縮鉄筋が降伏していない(σ's2<f'y)ので,式(4.61)〜(4.64)が使えないということです.
このため,まずは,式(4.65)または式(4.71)を使って,圧縮鉄筋が降伏しているかどうかを判定する必要があります.これらの判定式を見ればわかるように,p1-p2=0のときは圧縮鉄筋未降伏となり,別の処理が必要になります.このときは,圧縮鉄筋に対して,降伏強度f'yの替わりに実際の応力σ's2を用いるということです.このことは,式(4.68)の前後に記してあるので,通読いただきたい.式(4.68)の後に記してあるように,f'yの替わりに実際の応力σ's2を用いるため,繰返し計算が必要となります.
このようなことは,p.90の例題4.3にも触れているので確かめられたい.例えば,付図4-3に例示したように, p1-p2が小さくなるにしたがって,中立軸が上昇し,引張鉄筋は降伏するが,圧縮鉄筋は降伏しないことになる.圧縮鉄筋の降伏はそれほど重要ではなく,これを無視(p2=0)して概算値を得ることもできる.

5
質問者 9965005: Ryu Kuge
大学院修士1年
質問箇所 RC構造の耐震設計特論
鉄筋コンクリートの設計(紅白の教科書)pp.201〜耐震性能の照査について
質問内容 耐震性能の照査で用いられる塑性率と靭性率について教えてください.
塑性率と靭性率の意味と違いがよく分かりません.
また、靭性率の定義は教科書に書かれたものだけですか?曲線下の面積で評価する方法を何かで聞いたことがあるのですが、そのような方法はありませんか?わかりやすく,ご教示下さい。
回答;
耐震解析に用いられる塑性率と靭性率は,似て非なるところがあり,理解しにくいところです.ここでは,靭性率は部材保有靭性(率),塑性率は応答塑性変形(率)のように言い換えた方が,誤解がすくないので,以降このように呼びましょう.また,(率)としたのは,必ずしも’率’で表す必要はないことも付記したい.

これら両者は,基本的に,次のように定義できる.
部材保有靭性:その部材の持っている粘り強さを表す.同じ部材耐力でも,最大耐力以降の大変形領域において,十分な耐力を保持できる場合,「部材靭性に富む」,荷重が急激に低下する場合,「部材の保有する靭性が乏しい」ということになる.これに対して
応答塑性変形:その部材が,ある地震慣性力に対して,応答する最大変形のことを意味し,これが,過大な入力のとき,弾性範囲を超え塑性域を及ぶ場合,応答塑性変形という.
これら両者は,ともに変形量(単位:mmまたはcm)であり,例えば,主鉄筋が降伏するときの変形で除すと,それぞれは,保有靭性率および応答塑性率という呼び方になる.いずれも正規化された量であるので覚えやすく,部材の大小や特性に関係なく議論ができ,耐震解析では多用される.
また,保有靭性率は,このように最大の変形能力で表されることが多いが,部材の交番往復荷重に対するループ面積で表されるエネルギー吸収能によっても表現できる.

さて,耐震設計ではこれら両者を比較し,地震時の安全性をチェックできる.
すなわち,保有靭性率>応答塑性率 → その部材は安全である(破壊しない)
保有靭性率<応答塑性率 → その部材は安全ではない(破壊する)
言い換えると,保有靭性率はその部材の粘り強さ(言わば「守り」)の限界を表すもので,一方,応答塑性率は,外部からの揺さ振りの大きさ(言わば「攻め」)を意味し,「守り」が「攻め」より勝れば,壊れず,地震力に耐えることができる.
このような設計照査における考え方は,紅白の教科書(3章p.39〜40,One Point アドバイス) に説明されているので,再度読み返してもらいたい.
ここでは,設計断面耐力=守り,設計断面力=攻め,
となっていることを確認されたい.
また,付け加えるのであれば,保有靭性率 vs.応答塑性率では,「変形能」を基準する照査 (Displacement-based Design)であるのに対して,断面耐力vs.断面力では,「耐力(強度)」の照査(Strength based Design) ということも留意されたい.

4
質問者 鈴木一孝
土木工学専攻/構造工学研究室
質問箇所 鉄筋コンクリートの解析と設計:曲げを受ける部材の引張側コンクリートの考え方
p.71 4-2-3 断面仮定と解析方法とp.214 10-4-1 ひび割れによる剛性低下との関連性
質問内容 p.71において鉄筋コンクリート断面の解析法について示されているが,弾性解析および塑性解析において引張領域は鉄筋のみの抵抗であると記述されている.
(引張側コンクリートは全く無視されている)
このような解析法では,p.214に示されている”引張硬化” (すなわち,引張側コンクリートが’若干’算入されている)という現象は考慮されていないということなのでしょうか?
回答;
大変,重要なことに気がつきました.
まず,後者の考え方を述べ,次に4章の断面仮定を説明するとよく理解できると思う.

p.214 10-4-1 ひび割れによる剛性低下:
これは,1断面を解析するのではなく,ひび割れ数本を含むある長さの部材を取り扱うことになる.従って,部材長手方向には,ひび割れ個所のように引張側コンクリートが全く作用しない断面もあれば,ひび割れ間中点のように鉄筋の付着により引張側コンクリートも少し生きている所もある.(教科書,p.214〜p.217参照)
このような引張側コンクリートの働き具合を簡潔に表したのが,等価曲げ剛性ということになる.このような場合,部材長手方向に沿って引張側コンクリートをすべて無視すると,部材剛性を著しく過小評価することになり,使用状態における変形解析などでは不適切である.

p.71 4-2-3 断面仮定と解析方法:
一方,ここでは,曲げ部材の許容応力度のチェックや使用限界状態/疲労限界状態での照査における材料応力の解析が目的であり,当然のことながら,'一番弱い断面','最も鉄筋応力が大きく出る断面'にて解析することになる.従って,引張側コンクリートは無視,ということになる.
同じ曲げ解析でも,断面の応力解析(または耐荷力の算定)と変形解析では断面仮定が異なることは,非常に重要なポイントであり,鉄筋コンクリートの本質的な特徴でもある.
HPコンテンツ「鉄筋コンクリートの系統的教育」に詳しく述べているので,目を通してもらいたい.

3
質問者 H.Yamashita(TML)
質問箇所 コンクリート標準示方書設計編
3.2.4応力-ひずみ曲線、3.2.5ヤング係数について
(標準示方書となるとこの「だれでも質問コーナー」ではお答えにくいところがありますが,
グレーの教科書2章:コンクリートの性質として,以下に解答を用意しました.)
質問内容 現在、ヤング係数は,JISA1108により圧縮試験を行い、応力-ひずみ線図を求め、圧縮強度の1/3の点と原点とを結ぶ割線弾性係数の試験値の平均値としています。
実測する場合にコンプレッソメータやひずみゲージなどが一般的に用いられていますが、ヤング係数の実測という点において、学術的に最良の方法をご教授ください。

また、設計上は、モデル化された応力-ひずみ線図のε'c:コンクリート圧縮ひずみとε'cu:コンクリートの終局圧縮ひずみとなっておりますが、実測時の算出として、圧縮強度をこのε'cやε'cuに置き換えて算出しても良いでしょうか?(ε'cとε'cuの違いは設計上の問題だけなのか?)
回答;
***前半部の質問:ヤング係数の実測方法
「学術的に最良の方法」ということであれば,コンプレッソメータとひずみゲージの両方式は,測定長(ゲージレングス)が異なることしか関係せず,むしろ,測定誤差を少なくする,また簡便で高価な測定器を必要としないなど,実務の立場から,最良の方法が決定されるでしょう.
さらには,供試体寸法の依存性や載荷方向のひずみ分布の非一様性などの厄介な問題があり,コンプレッソメータやひずみゲージの比較/検討の必要があるでしょう.
また,終局近傍になると,圧縮ひずみの局所化が開始し,測定長の異なる両方式の乖離はさらに著しくなり,既往の研究でもしばしば指摘されています.
このような事項は,既に材料力学や破壊力学の研究領域となり,通常の測定では考慮する必要がないのでしょう.ご指摘の弾性範囲または使用状態(圧縮強度の1/3の割線係数)では,ほとんど問題になりませんが,とりあえずの知識として覚えていただきたい.
  
***後半部の質問:コンクリート圧縮ひずみ
ご指摘のように,圧縮ひずみの場合,「ε'c:コンクリート圧縮ひずみ」,「ε'cu:コンクリートの終局圧縮ひずみ」のように定義されます.これは, ε'c は変数で,ε'cu はある特定値ということを意味し,例えば,ε'c=0で応力ゼロ, ε'c=0.002で応力ピーク値,ε'c=ε'cuで終局値となる.
一般に,応力-ひずみ線上では,ε'c=0〜0.002は上昇域(hardening region), ε'c=0.002〜ε'cu(終局)の間は下降域(softening region)となりますが,コンクリート標準示方書(設計編)では,後者の下降域をフラットとしています.これは,英語でparabolic linearと呼ばれ,グレーの教科書2章:図2-6(p.24)に分かりやすく解説されています.
また,下降域のε'c=0.002〜ε'cuでは,応力度より変形能(ひずみの大きさ,粘りのこと)が重要となり,材料の靭性を表すことになる.
さらに,付け加えるのであれば,コンクリートの場合,高強度ほど終局ひずみε'cuは小さくなり,その材料は,より脆性的な破壊を呈することが古くより指摘されている.(教科書の図2-6(a)もそのように図化されていることを確認されたい.)
CEB-FIP Model Code 1990には,圧縮強度と終局ひずみの関係がきちんと与えらており,また,コンクリート標準示方書(平成8年制定)では,50N/mm2 以下→ε'cu=0.0035,60N/mm2 以上→ε'cu=0.0025 のように定められている(50N/mm2〜60N/mm2が空白となっていますが) ので,確認していただきたい.

2
質問者 ゼネコン内勤技術部門所属
質問箇所 使用状態での抵抗曲げモーメントの算定と弾性係数比について
質問内容 使用状態での曲げモーメントを算定するときには,コンクリートの弾性係数をどのように決めたらよいのでしょうか.
回答;
以下,質問と回答を対話形式で掲載しました.
{質問}:先生の本の中では,使用状態での弾性解析では弾性係数比が,n=6〜10となっていますが,これはどのように決めたのでしょうか.
{回答}:これは,Es=2.1*10の6乗,Ec=使用状態での現実の値(1/3圧縮強度での割線係数ですが,ほとんど弾性値と同じ)から結果的に,n=Es/Ecを計算すると,n=6〜10になるということです.
このような値は,種々諸説がありますが,とりあえずは教科書に示した土木学会標準示方書の値を用いるのよいでしょう.(グレーの教科書p.77,付表4-1参照,または紅白の教科書p.56,57参照)

{質問}:許容応力度設計法による断面算定ではn=15と記述されていますが,これはどのように考えたらよいのでしょうか.
{回答}:コンクリートは乾燥収縮,硬化収縮などの収縮またはクリープなどの時間的な変化を生じ,これを間接的に考慮したものです.すなわち,見掛け上コンクリート弾性係数が低下し,そのため,弾性係数比nが使用状態の値より大きくなり,示方書では,一括してn=15としたのです.コンクリートの弾性係数を低下させると,相対的に鉄筋の負荷を大きくなり,鉄筋のworking stress(作用応力)を安全側に算定することができます.旧来より,許容応力度設計法では,このようにして計算されており,現在に至っています.

{質問}:現在業務で,引張鉄筋降伏時の曲げモーメントを算定していますが,このときは,弾性解析時のnより大きくしなければならないのでしょうか.
{回答}:この場合も,そのとき(鉄筋降伏時)の,コンクリートの割線係数を用いて,nを決定することになります.これは,例題4.2問題A(グレーの教科書p.81)に抵抗曲げモーメントと示しましたが,最近はあまり使われることがないので,とりあえずは,短期であれば,使用状態のn=6〜10,長期的な検討であれば,n=15を用いるしかありません.
さらに,実際に近い方法(ファイバーモデル,非線形解析,道路橋仕様書にとる方法など)が,ありますが,これらは,ちょっとややっこしいことになり,本書の記述範囲を超えることになります.現実的には,鉄筋降伏時のコンクリート弾性係数を仮定し,そのnから計算する方法が,よいのでは.ただし,そのときの値は,教科書にはあまり書いていないでしょう.
1
質問者 田中 功(新構造技術(株))
質問箇所 鉄筋コンクリートの解析と設計:P.14 (ポアソン比について)
質問内容 なぜ,0<ポアソン比<0.5なのでしょうか?0については容易に理解できますが,なぜ上限が0.5なのでしょうか?
回答;
結論から言うと、体積変化が逆符号にならないように、との制約条件からきたもの。ポアソン比=0.5のとき,圧縮しても引張荷重をかけても,ちょうど体積変化がゼロということになる.
例えば、ポアソン比が0.8の材料は、単軸で圧縮すると(縮めると)、その方向に、1.0収縮した場合、横方向に、0.8と0.8づつ伸びる(3次元を考えているので横方向は2つある)ので、全体として、変形後の体積Vは、V=1.0+(-0.8)+(-0.8)=-0.6 (圧縮を+としている)となる.これは,圧縮しているのに,全体として膨張していることになり、不合理である。
このことは,体積弾性係数Kが,K=E/3(1-2*ポアソン比)で表され,KとEが同符号となる条件と合致する.(同様に,せん断弾性係数G(式(2.6))が正となる条件から,ポアソン比>-1という帰結となり,考えにくいが,ポアソン比が負でもよいということになってしまう)
また,例題2.2(p.18)の,(c)xy方向拘束の場合の解析結果を見よく見てもらいたい(付図2-3).ポアソン比が0.5に漸近するにつれて見掛けの弾性係数が無限に増大することと合致する. 
さて,以上の特性は,一般的な弾性体力学の範疇にあるが,圧縮荷重下のコンクリートでは,図-2.5 (p.23)を見るとわかりやすいので,参考にされたい.当初は,ポアソン比=0.2弱程度であるが,臨界応力を超えると,急激に増大し破壊至っていることがわかる.